こんにちは、信長(@nobunaga_ydb)です。
すでに知っている人は多いと思いますが、共通テスト(英語)では、
- 四択問題
- 並び替え問題(整序英作文)
などの「文法問題」は出題されません。
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文法問題が出題されないのであれば、文法の勉強はもうしなくていいのでしょうか?
というわけで今回の記事では、その疑問に対して僕なりの答えを出したいと思います。
京都大学を卒業後、Z会で「大学入試の分析」や「英語参考書の編集」をしていた僕が、くわしく解説していくよ~!
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それではスタート!
【結論】共通テスト(英語)の受験生は文法の勉強が必須
結論から言いますね。
共通テスト(英語)の受験生は文法の勉強が必須です。
今からその理由を述べていきます。
英文法は英語学習の土台だから
ものすごく当たり前の話なのですが、英文法を理解していないと、英語を読むことも書くことも、話すことも聞くこともできません。
野球のルールを知らない人が野球を上手にプレーできるわけがないですし、そもそも野球観戦すらできないのと同じです。
英文法は英語学習の土台なので、必ず勉強するようにしましょう。
英文法の勉強といっても、範囲が広すぎて何から手をつけていいかわかりません…。
どの文法項目を優先的に勉強すべきでしょうか?
まずは、英文を読むうえで重要な文法項目をマスターするべきです。
なぜなら、共通テスト(英語リーディング)では、80分以内に大量の英文をすばやく正確に読む力が問われるからです。
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たとえば、
- 品詞と文型(動詞の使い方も)
- 準動詞(不定詞、動名詞、分詞)
- 関係詞
- 接続詞
- 否定
あたりを理解できていないと、英文の構造をつかむのはしんどいですし、内容を理解するのも難しいでしょう。
ここで、共通テスト(英語リーディング)の第2回試行調査に出てきた英文を見てみましょう。
Unfortunately, flowers growing in a pot are something we shouldn’t take to a hospital.
この英文を読んで、文構造が把握できない人はかなりまずいです。
以下のような構造ですね。
つまり、現在分詞と関係代名詞の役割を理解していないと、この英文を読むことはできません。
共通テストを受験する人は、こういった「読解のための英文法」を優先的にマスターしましょう。
共通テスト(英語)では、「正しい文法知識に基づいて英文をきちんと読めること」が最低限の前提条件になるよ!
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共通テスト(英語)では、文法知識がないと解けない問題が出るから
共通テスト(英語)では、文法知識がないと解けない問題が出されます。
たとえば、英語(リーディング)の第2回試行調査では、「副詞almostの用法」を知らないと解けない問題が出題されました。
Surprisingly, we almost won, which was amazing as there were 20 entries in the competition.
という英文を読んで、イラストを参照に、「we(私たち)がthe competition(カラオケ大会)で2位になったこと」を選ぶ問題が出題されました。
almostの本質的な意味が「もう少しで」であることを知っている人なら、楽に正解できたでしょう。
逆に、「almost=ほとんど」で覚えていた人は、「ほとんど勝った?」みたいな感じで、内容を理解するのに手こずったかもしれません。
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また、英語(リスニング)の第1回試行調査では、「使役動詞の使い方」を知らないと解けない問題が出題されました。
The man is going to have his house painted.
という放送文を聞いて、その内容に合ったイラストを選ぶ問題です。
使役動詞haveの使い方を知っている人なら、「男の人が誰かに家の塗装をしてもらうイラスト」を選ぶことができたでしょう。
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これらの文法事項って、マニアックなものではなく、基本的なものです。
どの文法参考書にも載っているので、高1~高2の間に基本的な文法事項をマスターしておきましょう。
共通テスト(英語)対策に「Next Stage(ネクステージ)」や「Vintage(ヴィンテージ)」などの文法問題集は必要?
共通テスト(英語)対策に、「ネクステージ」や「ヴィンテージ」などの文法問題集は必要なのでしょうか?
共通テスト(英語)では、文法問題は出ないので、「ネクステージ」や「ヴィンテージ」などの文法問題集はいらないという意見もあります。
しかし、「ネクステージ」や「ヴィンテージ」などの文法問題集は1冊解いておいたほうがいいです。
なぜなら、「文法問題集に載っている問題は解けないけれど、大学入試の英語長文は読める人」を今まで見たことがないからです。
「文法問題は超苦手だけど、英文はスラスラ読める!」みたいな人って、正直いません。
「ネクステージ」や「ヴィンテージ」には、細かい文法事項を問う問題も載っていますが、英語長文を読むうえで必要な文法事項を問う問題もたくさん載っています。
なので、とりあえず1冊は文法問題集を仕上げましょう。
そして、文法問題集を解くときは、なぜその答えを選んだのかを論理的に説明できるようにしてください。
「ネクステージ」や「ヴィンテージ」などの文法項目別の問題集だと、似たような文法問題が続けて出題されるので、「深く考えずに何となくパターンで解く」という状態に陥りやすいです。
思考停止の状態のまま、やみくもに文法問題を解いても、文法の知識は深まらないので注意しましょう。
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出題形式にとらわれる受験生が多すぎる
今回の記事では、「共通テスト(英語)の受験生は文法の勉強が必須だよ」という話をしました。
最後に、前からずっと気になっていることがあるので、言わせてください。
それは…
「〇〇大学の入試では△△が出ないから、△△の勉強をしなくてもいいですよね?」みたいな質問をする受験生があまりにも多いということです。
今回のテーマで言うと、「共通テストでは文法問題が出ないから、文法の勉強をしなくてもいいですよね?」みたいな感じです。
個人的には、この考えってすごく甘いなと思います。
なぜかというと、「楽をしたい」というのが見え見えなんですよね。
もちろん、受験勉強では効率性が重要であることは否定しません。
受験生は限られた時間で複数の科目を勉強しなければいけないので、志望校で頻出の出題形式を分析し、そこから逆算して勉強することは理にかなっています。
けどね。
効率性を意識しすぎるあまりに、出題形式に過度にとらわれるのは、かえってよくないと思うんですよ。
たとえば、僕が受験生のとき、京大英語は「英文和訳」と「和文英訳」しか出ませんでした。
そのせいか、「英文和訳と和文英訳以外の形式を解くのは意味がない」という考えの京大志望者が結構多かったんです。
「内容説明問題なんて、解かなくてもいい!」みたいな。
実は僕もその一人でした。
でも、今から振り返ると、九州大や東北大などのオーソドックスな形式の英語長文を積極的に解かなかったのはもったいなかったと思います。
なぜなら、どの大学の英語の入試問題も、同じ「英語」で書かれており、出題形式が変わろうが、問われていることの本質は「英語をきちんと理解できているか」だからです。
以上をふまえると、やはり共通テストの受験生は、出る出ないにとらわれずに、文法の勉強をしておいたほうがいいです。
共通テストの問題集を解くことはもちろん重要ですが、文法の問題集も1冊くらいは仕上げておきましょう。
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いつの時代だって、問われている英語の本質は変わらないよ。
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