こんにちは、信長(@nobunaga_ydb)です。
今回の記事では、共通テスト(英語リーディング&リスニング)対策におすすめの参考書と問題集を紹介します。

京都大学を卒業後、Z会で「英語参考書の編集」をしていた僕が紹介していくよ~!
実際に購入したものを紹介するので、安心してね!
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それではスタート!
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共通テスト(英語)の参考書と問題集に取り組む前に知っておくべきこと
まずは、「共通テスト(英語)の参考書&問題集に取り組む前に知っておくべきこと」を解説しますね。
「共通テスト試行調査2回分」と「センター試験の過去問」を優先的に解こう
共通テストですが、まだ本試験は行われていません。
これまで行われたのは、全2回の試行調査(プレテスト)のみです。
つまり、共通テストの過去問に相当するのは、2回分しかないということです。

ということは、共通テストは過去問演習が全然できないというわけですね…。
何だか不安になってきました…。

だからこそ、センター試験の過去問も活用しよう!
共通テスト対策として、センター試験の過去問演習も役立ちます。
なぜなら、共通テストでは、センター試験と似たような傾向の大問が出題されているからです。
たとえば、共通テスト(英語リーディング)の第4問~第6問では、センター試験の第4問~第6問と同様に、
- グラフや広告の読解問題
- 物語文の読解問題
- 論説文の読解問題
が出題されています。
以上をふまえると、共通テスト(英語)の受験生は、
- 試行調査2回分
- センター試験の過去問
を優先的に解きましょう。
やはり、大学入試センターが作った良問を解くのが一番安全です。
共通テストの予想問題は試行調査の問題よりもクオリティが低い
共通テスト(英語)の参考書や問題集に収録されている予想問題は、試行調査の問題に比べてクオリティが低いです。
大学入試センターは何人もの有識者を集めて、渾身の問題を作ってくるので、予備校や出版社が作った予想問題は、どうしても見劣りしてしまいます。
僕はZ会で教材編集者として働いていたとき、センター英語の予想問題の作成に携わっていたことがありますが、いくら自分がクオリティを上げようと努力しても、結局は本物には負けてしまうんですよね。
だって、予備校や出版社が作った予想問題は、大学入試センターが作った問題の「模倣」に過ぎないから。
予想問題のクオリティが絶対的に低いと言っているわけではありません。
相対的に見れば、大学入試センターの作る問題よりもクオリティが低いということです。
先ほどの話に戻りますが、受験生はまず「試行調査」や「センター試験の過去問」を解いて、そのあとに予備校や出版社が出している予想問題を解くようにしましょう。
共通テスト(英語)対策におすすめの参考書と問題集一覧
それではいよいよ、共通テスト(英語)対策におすすめの参考書と問題集を紹介していきます。

実際に買って取り組んだうえで紹介するよ~!
赤本(共通テスト問題研究 英語)
まずは、教学社が出している「赤本」です。
赤本のおすすめポイントは、「共通テスト試行調査2回分」と「センター試験の過去問8年分(リスニングは5年分)」が掲載されていることです。
さらに、共通テストの予想問題も載っており、かなりボリュームのある内容になっています。

河合塾が出している「黒本」もありますけど、どっちがいいんですか?
残念ながら、黒本はおすすめできません。
赤本に比べて、ボリュームが大幅に劣るからです。
具体的に言うと、試行調査は1回分のみ、センター試験の過去問は6年分(リスニングは2年分)しか掲載していません。
さらに、赤本のように予想問題も掲載していません。
こんなにボリュームが少ないのに、赤本と同じ値段です。
どう考えても赤本のほうが圧勝ですよね。
共通テストの受験生は、まずは赤本に掲載されている試行調査2回分に取り組み、共通テストの傾向をつかみましょう。
さらに、センター試験の過去問も解きましょう。
そして最後に、予想問題を解いて力試しをするのが効果的な使い方です。

赤本は、共通テスト受験生なら必ず持っておきたい問題集だね!
共通テスト実戦模試 英語リーディング&リスニング(Z会)
続いては、僕が以前働いていたZ会が出している「共通テスト実戦模試」です。
「共通テスト実戦模試」のおすすめポイントは、共通テストの傾向に合わせた予想問題が数多く掲載されていることです。
リーディングは6回分、リスニングは5回分も予想問題が収録されています。
予想問題って1回分作るだけでもかなりハードなのに、こんなにたくさん用意できるのは、さすがZ会です。(上から目線)
共通テストの傾向に即した予想問題を数多く解きたい受験生には、ぴったりの問題集ですね。

予想問題の数でいえば、Z会の実戦模試が一番だよ!
共通テスト総合問題集 英語 (河合塾)
続いては、河合塾が出している「共通テスト総合問題集」です。
「共通テスト総合問題集」のおすすめポイントは、1冊でリーディングとリスニング両方の予想問題が解けることです。
Z会と比べて予想問題の数は少ないですが、リーディングとリスニング両方の問題が解けるので、コスパはかなりよいと思います。
リスニングに関しては、予想問題の数が1回だけなので、Z会の実戦模試で補ってもよいでしょう。

河合塾の黒本は微妙だけど、この問題集は逆におすすめできるよ!
「全統模試」を手がけている河合塾だから、問題のクオリティは高いね!
短期攻略 大学入学共通テスト 英語リーディング&リスニング(駿台)
続いては、駿台が出している「短期攻略 大学入学共通テスト 英語リーディング&リスニング」です。
リーディング編とリスニング編で1冊ずつの構成になっており、こちらも予想問題集となっています。
リーディング編とリスニング編でそれぞれ4回分、予想問題を収録しています。
この問題集のおすすめポイントは、共通テスト対策のヒントがたくさん載っていることです。
たとえば、リーディング編では、共通テスト試行調査のデータ分析に基づいた攻略法が36ページ分載っています。
著者が「システム英単語」の霜康司先生であり、この先生はデータ分析が得意な方なので、攻略法の解説も説得力のあるものになっています。
たとえば、共通テスト試行調査の語彙レベルを分析して、「センター試験であれば3000~4000語レベルの語彙力があればよかったが、共通テストでは5000語レベルの語彙力が必要だ」という結論を述べられていました。
この解説を読めば、共通テストの受験生は、センター試験の受験生よりも語彙力を鍛える必要があるということがわかりますね。
また、リスニング編では、
- 音の結合と変化のルール
- アメリカ英語とイギリス英語の発音の違い
- 会話表現集
- 地図問題の攻略法
がわかりやすくまとめられており、リスニング対策にかなり役立つ内容になっています。

予想問題の数もそこそこ多いし、解説やヒントも充実しているし、バランスのいい問題集だね!
ハイスコア! 共通テスト攻略 英語筆記リーディング&リスニング(Z会)
続いては、Z会が出している「ハイスコア! 共通テスト攻略 英語筆記リーディング&リスニング」です。
こちらもリーディング編とリスニング編で1冊ずつの構成になっています。
この参考書のおすすめポイントは、各大問の解き方のプロセスが超くわしく解説されていることです。
試行調査の問題を題材にして、「どういう手順で各大問の問題を解いていけばよいのか」を具体的に教えてくれます。
たとえば、リーディング第1問の「情報を読み取る問題」の解き方の解説を見てみましょう。
1. 設問文または選択肢から検索に必要なキーワードを設定
文書全体の中から設問で問われている内容を探し出す問題であり、まず必要になるのは「何を探せばいいのか」を明らかにすること。 設問文に具体的な内容がある場合はそこから、ない場合(設問文がWhich of the following is true?(次のうち正しいものはどれか。)のような場合)には選択肢の中から、本文中で情報を検索する上でヒントとなりそうなキーワードを設定する。
2. 本文中でキーワードを検索、周辺の内容を確認
やみくもに解答を探そうとするのではなく、まずはキーワードを検索する。 正解情報は必ず本文中、キーワード周辺に現れる。 注意すべきは、設問文または選択肢中のキーワードが本文中では言い換えられている可能性があること。 実質的にはキーワードではなく「キーワードと同等の内容」がポイントとなることが多い。
3. キーワード周辺の内容と選択肢を照合
2でキーワードとその周辺の内容が確認できれば解答作業は事実上終了。 あとは各選択肢を確認して合致するものを選ぶだけである。 1問につきこの1~3を30秒程度でこなす解答力を身につけたい。
水野 卓 監修「ハイスコア! 共通テスト攻略 英語筆記リーディング」(Z会)より引用
めちゃくちゃ具体的じゃないですか?
「こうやって解けばいいのか!」と腑に落ちる内容ですよね。
「ハイスコア! 共通テスト攻略 英語筆記リーディング&リスニング」に取り組めば、正解を選ぶまでのプロセスが必ず身につきます。
また、各大問に類題が1題ずつついており、最後に予想問題も1回分収録されている点もおすすめポイントですね。

解き方のプロセスをしっかり身につけたうえで問題演習をこなしたい人には、本当におすすめの参考書だよ!
【第2回試行調査_第1問Aの解説動画はこちら↓】
【第2回試行調査_第1問Bの解説動画はこちら↓】
大学入学共通テスト 石井雅勇 英語[リーディング・リスニング]講義の実況中継(語学春秋社)
続いては、語学春秋社が出している「大学入学共通テスト 石井雅勇 英語[リーディング・リスニング]講義の実況中継 」です。
「実況中継」のおすすめポイントは、「リスニング対策のコツ」がほかの参考書よりもくわしく解説されていることです。
著者の石井雅勇先生は、リスニング教材を多数執筆されている先生なので、リスニングの解説ページが多いことも納得できますね。
リスニングでは、「弱形」や「連結」や「脱落」など、さまざまな音の変化に注意しなければならないのですが、そういった音声を聞き取るうえでの注意点や、数字を聞き取るうえでのコツ、イントネーションの要領などが、100ページ近くにわたって解説されています。
共通テストのリスニングは、1回読みの問題が導入されたり、イラストや図表の情報を組み合わせて解く問題が増えるなど、難易度がグッと上がることが予想されるので、リスニング対策がこれまで以上に重要になってきます。
「実況中継」に取り組めば、基本的なリスニング対策はばっちりです!

共通テストのリスニング対策に不安を抱いている人には、本当におすすめの参考書だよ!
速読英単語 必修編(Z会)
最後は、Z会の「速読英単語 必修編」です。
速単必修編は、共通テスト専用の教材ではないのですが、共通テスト受験生には自信をもっておすすめできます。
なぜかというと、速単に取り組めば、「速読力」がかなり上がるからです。
共通テストの(英語)のリーディングでは、センター英語(筆記)に比べて語数が1000語近く増えます。
試験時間は同じ80分間なので、これまで以上に英文をすばやく読む力が求められるのです。
速単必修編の英文を何回も繰り返し読むことで、速読力が本当に上がります。
さらに、別売の音声CDを活用すれば、リスニング力のアップにもなるので、リスニング対策にも役立ちます。
速単必修編の使い方は別の記事でくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事 【速読英単語 必修編】レベルと使い方を元Z会社員が解説します!

速単はいい教材だけど、英文法とか英文解釈の基礎力が全然足りていない人が手を出すと、英文を読めなくて挫折してしまうので注意してね!
共通テスト(英語)の一番の対策法は、参考書や問題集に取り組むこと
今回の記事では、共通テスト(英語)対策におすすめの参考書や問題集を紹介しました。
共通テスト(英語)の一番の対策法は、共通テストの傾向や解き方のコツを参考書で学び、問題集を使って過去問や予想問題を解くことです。
実際に問題を解くことで、時間配分の感覚をつかむこともできます。
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逆に、夏期講習や冬期講習の「共通テスト対策講座」を受けるだけでは、絶対に共通テストの点数は伸びません。
講習代に15,000円を払うなら、そのお金で参考書や問題集を買いましょう。
共通テストはセンター試験と同様、「演習量」がモノを言う試験ですよ。
共通テスト受験生のみんな!
解いて解いて、解きまくろう!
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