こんにちは、信長(nobunaga_ydb)です。
突然ですが、皆さんは英語が得意ですか?
得意な人、うらやましいです。大学受験では、英語が得意な人のほうが有利ですからね。
逆に、苦手な人。今は苦手かもしれないけれど、その分伸びしろがあるから落ち込まないでください。
そして、今回は英語が苦手なあなたに、ほんのちょっとだけ英語が得意になるためのアドバイスを送ります。
早く教えてくれ~!
まずは、英語の品詞をマスターしよう!
というわけで今回の記事では、
- 英語の品詞ってそもそも何?
- 英語の品詞の全種類一覧と特徴、見分け方のコツ
- 品詞を学べば英語学習にどう役立つのか?
などについて徹底解説していきます!
京都大学を卒業後、Z会で英語の参考書を編集していた僕が、わかりやすく解説していくよ~!
関連記事 現役で京大に80点差で落ちてから浪人して合格するまでの話
関連記事 新卒入社したZ会で「必修編 英作文のトレーニング」を編集していた頃の話
それではスタート!
英語の品詞をマスターしないと、英語学習は始まらない
英語が苦手な人は、まずは品詞をマスターしてください。
品詞は、英語を学ぶ上での基本の「き」です。
よく、「英語が苦手な人は、中学レベルの英語からやり直しましょう!」みたいなセリフがありますよね。
これって、もう少し噛み砕くと、「英語が苦手な人は、品詞レベルからやり直しましょう!」ということなんです。
それくらい、英語が苦手な人って品詞を理解できていないんです。
逆に、品詞をマスターすれば、英語学習の大きな第1歩を踏み出すことができますよ!
実は僕も、受験勉強を本格的に始めた当初は、英語の品詞を全然理解できていませんでした。
今回の記事を通して、一緒に英語の品詞をマスターしましょう!
そもそも英語の品詞とは何か?
おい、品詞品詞言うてるけど、そもそも英語の品詞って何やねん!
ごめんなさい、言い忘れてました。
英語の品詞とは、「英単語を役割によって分類したもの」です。
すみません、ざっくりしすぎて意味不明です。
⋯ぶっちゃけそうですよね。抽象的な説明ですみません。
まあ、英語の品詞の定義はテストで聞かれないので安心してください。
気を取り直して、英語の品詞について具体例を挙げて説明すると、「名詞とか形容詞とか接続詞とか⋯」のことです。
これだったら何となくイメージが湧くのではないでしょうか?
名詞、形容詞、接続詞などは聞いたことがありますよね!
聞いたことあります!
てことは、動詞や副詞なども、英語の品詞の仲間ということですか?
その通り!
さすがメガネ君、頭いいね。
英語の品詞は、以下の9種類に分類されます。
「名詞特有の役割」があるから「名詞」というグループが存在し、「形容詞特有の役割」があるから「形容詞」というグループが存在している、と理解すればOKです。
ここからは、それぞれの品詞についてじっくり学んでいきましょう!
それぞれの品詞の特徴をマスターすれば、英文中に出てくる単語の品詞が何であるかを見分けられるようになるよ!
英語の品詞①:名詞
まずはトップバッター、品詞の王様、名詞です。
名詞のポイントは以下の3つです。必ず覚えてください。
人や物の名前を表す
名詞は、人や物の名前を表します。
ちょっと人の名前を思い浮かべてみてください。
Tom(トム)、Mike(マイク)、Emily(エミリー)、ken(ケン)、Yumi(ユミ)⋯。
そうです、これらは全部名詞です。
次に、物の名前を思い浮かべてください。
apple(りんご)、book(本)、dog(犬)、egg(卵)⋯。
そうです、これらも全部名詞です。
今皆さんは、appleやbookのように、目に見える物を思い浮かべたかもしれませんが、目に見えない物も名詞になります。
たとえば、information(情報)、knowledge(知識)、air(空気)、love(愛)などです。
愛って目に見えないんだ。
そやねん。
名詞は、「目に見えようが見えまいが、身の回りの人や物すべてを表す」と覚えておきましょう。
文の主語・補語・目的語になる
名詞は、文の主語・補語・目的語になることができます。
野球選手で例えると、内野も外野もキャッチャーもいけるみたいな感じです。
めちゃくちゃオールマイティな奴でしょ?
さっそく、以下の3つの例文を見てみましょう。
名詞appleの文中での役割に注目してください。
- Apples are good for your health.(リンゴは健康によい。)
- These are apples from Aomori.(これらは青森産のリンゴだ。)
- I like apples very much.(私はリンゴが大好きだ。)
1つ目の例文では、appleは文の主語になっています。
2つ目の例文では、appleは文の補語に、3つ目の例文では、appleは文の目的語になっていることがわかりますね。
おい。
どしたん?
主語とか補語とか目的語とか、急に言われても分かんねえよ。
確かに、主語や補語や目的語についても解説する必要がありましたね。
ただ、今回の記事はあくまでも品詞の説明にフォーカスしているので、主語や補語や目的語に関しては別の記事でじっくり解説しますね。
可算名詞と不可算名詞がある
名詞には、数えられる名詞と、数えられない名詞があります。
数えられる名詞のことを、可算名詞と言います。
逆に、数えられない名詞のことを、不可算名詞と言います。
可算名詞の例としては、pen(ペン)、car(車)、chair(イス)などがあります。
どれも数えることができますよね。
たとえば、車なら1台、2台、3台⋯みたいな感じです。
可算名詞は数えられる名詞なので、単数形だけでなく、複数形もあります。
一方で、不可算名詞の例としては、water(水)、money(お金)、happiness(幸せ)などがあります。
これらは可算名詞と違って、1つ、2つ、3つ⋯みたいに数えることができませんよね。
不可算名詞は数えることができないので、冠詞a〔an〕がつかず、複数形にならないことも覚えてきましょう。
おい。
どしたん?
レジで店員がお金数えてるじゃねーか。お金は可算名詞だろ。
店員が数えているのはお金やない。
bill(紙幣)もしくはcoin(硬貨)や。
日本人の感覚からすると、可算名詞と不可算名詞の判別ってかなり難しいんです。
ざっくりした見分け方としては、「具体的な形があるかどうか」ですね。
たとえば、今紹介したmoney(お金)は概念にすぎず、具体的な形をもちません。
よって、不可算名詞になります。
しかし、bill(紙幣)もしくはcoin(硬貨)は具体的な形をもちますので、これらは可算名詞になります。
また、先ほど紹介したinformation(情報)、knowledge(知識)、air(空気)、love(愛)などの目に見えない物も、不可算名詞扱いになります。
なぜなら、これらの名詞も抽象的な概念であり、具体的な形をもたないからです。
可算名詞と不可算名詞は、奥が深い分野なので、また別の記事でじっくり解説するね!
英語の品詞②:代名詞
続いて、代名詞です。
中学のときに習った、this、that、I、you、him、theyなどが代名詞です。
代名詞は名詞の仲間なので、名詞の役割をマスターしていれば全然難しくありません。
以下の2つのポイントを覚えてください。
名詞の代わりをする
「代」名詞という名前から想像できるように、代名詞は名詞の代わりをします。
なぜ代名詞が存在するのかというと、同じ名詞を繰り返し使うのを避けるためです。
ちょっと例文を見てみましょう。
この例文では、代名詞theyが名詞Tom and Mikeの代わりをしていることがわかりますね。
Tom and Mikeを繰り返し使うのを避けるために、代名詞theyが使われていると理解しましょう。
名詞と同様に、文の主語・補語・目的語になる
代名詞は名詞の仲間ですから、当然、文の主語・補語・目的語になります。
さきほどの例文では、代名詞theyは文の主語になっていましたね。
ほかの例文も見てみましょう。
代名詞mineが、文の補語になっていますね。
代名詞himが、文の目的語になっていますね。
代名詞は名詞の役割を覚えていれば楽勝やね♪
次の品詞に行こう!
英語の品詞③:冠詞
次は、冠詞です。
a〔an〕やtheのことですね。
冠詞は日本語にはない概念なので、戸惑う人も多いかと思います。
冠詞のポイントは、以下の2つです。
名詞の前に置かれる
冠詞は、必ず名詞の前に置かれます。
たとえば、a book、an orange、the personみたいな感じです。
どの冠詞も、名詞の前に置かれていますよね。
〈冠詞+名詞〉という語順を覚えておきましょう。
名詞が不特定のものか特定のものかを表す
冠詞a〔an〕は、可算名詞の単数形の前に置かれ、不特定な1つのものを表します。
たとえば、a bookは「とある1冊の本」という意味です。bookは可算名詞の単数形ですよね。
冠詞a〔an〕は、「(複数ある中の)1つ」を表すので、可算名詞の複数形や、不可算名詞の前には置かれないことに注意しましょう。
(×)a moneyはダメだと、不可算名詞のところで教えてもらいましたね!
ということは、(×) a waterとか、(×) an informationとかもダメですよね!
さすが!さっき教えたことをマスターできてるやん!
飲み込みが早い!
続いて、冠詞theです。
冠詞theは、可算名詞と不可算名詞の前に置かれ、その名詞が特定のものであることを表します。
何かわかりづれーな。
文章だと分かりにくいですよね。例文を見てみましょう。
冠詞theに注目してください。
2文目に出てくる名詞catは、「昨日私が買った猫」という「特定の猫」を指していますよね。
だから、冠詞theが使われているんです。
逆に1文目のcatは、初めて話題にのぼる「とある猫=不特定の猫」を表すから、冠詞a〔an〕が使われているんですね。
ペキカン。(完璧)
a〔an〕はあくまで「1つのもの」にこだわりますが、theは数にはこだわりません。
英語の品詞④:形容詞
続いて、形容詞です。
interesting(おもしろい)や、difficult(難しい)などが挙げられますね。
形容詞のポイントはズバリ、「名詞を修飾する」です!
もちろん、代名詞も修飾できます!
おい。
ふにゃ?
「修飾」なんて言われてもわかんねえよ。
普段、「修飾」なんて言葉使わねえだろ。
確かに、「修飾」って普段使わない言葉なのに、文法書には当たり前のように載っていますよね。
「修飾」をわかりやすく言い換えると、「情報を追加する」ということです。
たとえば、a movie(とある映画)という名詞を考えてみましょう。
a movieに形容詞interestingを加えると、an interesting movie(おもしろい映画)という意味になります。
どうでしょうか?「とある映画」に情報が追加されて、「おもしろい映画」になりましたよね?
こんな感じで、形容詞は名詞を修飾することで、名詞に情報を追加する働きをするんです。
ほかにも例を見てみましょう。
- a cat(とある猫)⇒ a small cat(小さな猫)
- a house(とある家)⇒ a large house(広い家)
みたいな感じですね。
形容詞が名詞を修飾するパターンは以下の2つがあります。
- 直接的に名詞を修飾するパターン
- 動詞の力を借りて間接的に名詞を修飾するパターン
それぞれ順番に解説していきますね。
直接的に名詞を修飾するパターン
これは、先ほど説明したan interesting movieみたいなパターンです。
形容詞interestingが名詞movieを直接的に修飾していますよね。
このパターンでは基本的に、〈形容詞+名詞〉のように、名詞の直前に形容詞が置かれることに注意しましょう。
日本語と同じ語順なのでわかりやすいですね。
例文を紹介しておきます。
(Ex)I want to drink something cold.(何か冷たいものが飲みたい。)
動詞の力を借りて間接的に名詞を修飾するパターン
これは、名詞を直接的に修飾するのではなく、動詞の力を借りて間接的に名詞を修飾するパターンになります。
動詞の力を借りる???
どういうことでしょうか?
ちょっと例文を見てみようか。
あれ、さっきも似たような例文を見たような⋯。
さっき紹介した例文は、Tom is a kind boy.です。
今回紹介したのは、Tom is kind.です。
違いがわかるでしょうか?
今回は、be動詞のisを挟んで、名詞Tomが間接的に修飾されていますね。
そーゆーこと!
このように、形容詞には、動詞の力を借りて名詞を間接的に修飾するパターンがあるんです。
ほかにもいくつか例文を紹介しますね。
kindみたいに、ほとんどの形容詞は、名詞を直接的にも間接的にも修飾できるよ!
英語の品詞⑤:副詞
続いて、副詞です。
carefully(注意深く)、recently(最近)、sometimes(時々)などが挙げられますね。
副詞のポイントはズバリ、「名詞以外を修飾する」です!
形容詞の働きは「名詞を修飾する」でしたよね?
副詞は、形容詞が修飾しないものを修飾するんですね。
そやね。
副詞が修飾するのは「名詞以外」やからね。
副詞は、名詞以外なら基本的に何でも修飾できます。
たとえば、動詞・形容詞・ほかの副詞・文全体を修飾できます。
副詞がほかの副詞を修飾するのって、変な感じだな。
パッと見、違和感あるよね。
副詞が名詞以外を修飾するパターンを、例文を使って確認してみよう。
副詞が「動詞」を修飾するパターン
英語の説明書によく載っている文ですね。
この例文では、副詞carefully(注意深く)が、動詞read(~を読む)を修飾しています。
ただの「読んでください」ではなく、「注意深く読んでください」ということですね。
確かに、動詞を修飾(=情報を追加)していますね。
形容詞のコーナーで、a movie(とある映画)に形容詞interestingを加えると、an interesting movie(おもしろい映画)に変化するって言ったけど、それと似てるよね。
形容詞と副詞は、修飾する対象はまったく違えど、「何かを修飾する」という点では共通していることがわかるね。
副詞が「形容詞」を修飾するパターン
この例文では、副詞very(とても)が形容詞honest(正直な)を修飾しています。
逆に形容詞honestは、後ろの名詞manを修飾していますね!
そやね!知識がだんだんつながってきたやろ?
副詞が「ほかの副詞」を修飾するパターン
ユミ、恋愛体質!
この例文では、副詞quite(かなり)が副詞easily(簡単に)を修飾しています。
なるほど。「副詞がほかの副詞を修飾する」ってこういうことか。
副詞veryやquiteは、ほかの副詞を修飾することが多いね。
副詞quiteを、形容詞quiet(静かな)と混同したらあかんで!
副詞が「文全体」を修飾するパターン
(あいにくにも、私たちは学校から帰る途中、にわか雨にあった。)
学校帰りあるあるっすね。
この例文では、副詞unfortunately(不運にも)が、後ろの文全体を修飾しています。
ちなみに、get caught in ~(~に巻き込まれる)とon one’s way home from ~(~からの帰宅途中)は英文中によく出る表現なので、覚えておこう!
副詞が名詞以外を修飾することを実感できたでしょうか?
名詞を一途に愛し続ける形容詞と比べて、副詞はいろんな品詞に浮気しちゃうチャラ男ですね。
引き続き、残りの品詞を見ていきましょう!
英語の品詞⑥:動詞
さあ、後半戦!次は動詞です!
動詞はイメージしやすいですよね。
eat、have、use、know⋯など、いくらでも思いつくはずです。
動詞のポイントは、以下の2つです。
主語の「動作」や「状態」を表す
動詞は、主語の「動作」や「状態」を表します。
例文を見てみましょう。
この例文では、動詞drinkが、主語である「私」の「飲む」という「動作」を表していますね。
drinkのように、主語の動作を表す動詞を「動作動詞」と言います。
まんまやん。
もう1つ例文を見てみましょう。
この例文では、動詞knowが、主語である「私」の「知っている」という「状態」を表していますね。
ということは、knowみたいに、主語の「状態」を表す動詞を「状態動詞」と言うんですね!
早押しクイズか!正解。
自動詞と他動詞がある
動詞には、「自動詞」と「他動詞」という種類もあります。
それぞれの特徴を押さえておきましょう。
自動詞と他動詞の違いは、「直後に名詞がくるかどうか」ということでしょうか?
そーゆーこと!
例文を見てみましょう。
listen(聞く)は自動詞です。ということは、直後に目的語となる名詞をとりません。
自動詞listenの直後にある単語をよ~く見てください。toがありますね。
これは前置詞のtoです。名詞ではありませんね!
前置詞については、あとで紹介するよ!
次の例文も見てみましょう。
discuss(~について話し合う)は他動詞です。ということは、直後に目的語となる名詞をとります。
他動詞discussの直後にある単語をよ~く見てください。the problemがあります。
problemは名詞ですよね。つじつま、合ってますね!
「自動詞と他動詞の判別」は文法問題でよく問われるので、注意しよう!
たとえば、動詞startは、自動詞(~が始まる)と他動詞(~を始める)の両方の働きをします。
(Ex)The game started at noon.(試合は正午に始まった。)← 自動詞
(Ex)I started my business last year.(私は昨年起業しました。)← 他動詞
英語の品詞⑦:助動詞
さあ、続いては助動詞です。
can、may、mustなどが挙げられますね。
助動詞のポイントは以下の2つになります。
必ず「動詞の原形」の前に置かれる
助動詞は、必ず「動詞の原形」の前に置かれます。
したがって、〈助動詞+動詞の原形〉という語順になります。
おい。
どないしたん?
「動詞の原形」って何だよ。
「動詞の原形」とは、動詞の一番基本的な形のことです。
たとえば、動詞speakの原形はspeakです。
動詞speakは、過去形ならspokeになったり、三単現のsがつけばspeaksになったりしますよね。
動詞の原形は、そういった変化のない一番基本的な形になります。
ここで、助動詞canを使った例文を見てみましょう。
〈助動詞+動詞の原形〉の語順になっていますよね。
(×)Aya can speaks Chinese fluently.とか、絶対ダメですよ!!
動詞に「話し手の気持ち」をつけ加える
助動詞は、動詞に「話し手の気持ち」をつけ加える働きをします。
これ、意外に知らない人が多いので、マスターしましょう!
ちょっとこの例文を見てください。
どうでしょうか?
「あなたは毎日勉強している」という事実を淡々と伝えている文章ですよね。
次に、この例文を見てください。
先ほどの例文に、助動詞must(⋯しなければならない)を加えてみました。
どうでしょうか?
今度は、話し手の「お前、勉強せなあかんで!」という「義務・命令」の気持ちが表れていますよね。
ほかの例文も見てみましょう。
2つ目の例文で、助動詞may(⋯かもしれない)が使われていますね。
助動詞mayというスパイスが加わることで、話し手の「その話、本当の可能性もあるし、ウソの可能性もあるなあ⋯」という「推量」の気持ちが表れていますね。
このように、助動詞は「話し手の気持ち」を動詞につけ加えることができます!
英語の品詞⑧:前置詞
さあ、いよいよ終盤!
次は前置詞です。
前置詞も、いくつか思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか?
in、at、on、withなどが挙げられますね。
前置詞のポイントは以下の2つです。
直後に必ず名詞がくる
前置詞の直後には、必ず名詞がきます!
〈前置詞+名詞〉という語順になることを頭に叩き込んでください。
もちろん、直後には名詞だけでなく、代名詞もきます。
なぜ前置詞という名前が付けられたかというと、名詞の前に置かれる品詞だからだよ。
例文を見てみましょう。
前置詞inの直後に、名詞Japanがきていますね。
(×)Kate lives in. のような文は絶対に存在しません。
前置詞は、名詞がいないと生きていけないヒモ野郎だと覚えましょう。
さきほど、名詞のコーナーで「名詞は文の主語・補語・目的語になる」と説明しましたが、より正確に言えば、「名詞は文の主語・補語・目的語/前置詞の目的語になる」ということです。
〈前置詞+名詞〉のかたまりで、「形容詞」もしくは「副詞」の働きをする
前置詞が、〈前置詞+名詞〉のかたまりを作ることは理解できたかと思います。
そして、この〈前置詞+名詞〉のかたまりは、「形容詞」もしくは「副詞」の働きをします!
「形容詞」と「副詞」の働き、覚えてる?
「形容詞=名詞を修飾する」で、「副詞=名詞以外を修飾する」だったよな。
いいね!さっき説明したことをきちんと覚えてるね。
例文を見てみましょう。
on the stageという〈前置詞+名詞〉のかたまりが、直前の名詞the girlを修飾していますよね。
「ステージの上の女の子」ということですよね。
ということは、このon the stageは形容詞の働きをしていますね。
その通り!
もう1つ例文を見てみましょう。
on the stageは、動詞is singing(~を歌っている)を修飾していますね。
「ステージの上で歌っている」ということですよね。
ということは、このon the stageは副詞の働きをしていますね。
完璧!
副詞のコーナーで取り上げた、「副詞が『動詞』を修飾するパターン」とまったく一緒やね。
〈前置詞+名詞〉のかたまりを見たら、そのかたまりが形容詞の働きをしているのか、副詞の働きをしているのかチェックしてみましょう!
英語の品詞⑨:接続詞
これでラストです!お疲れさまです!
最後は接続詞です。
接続詞の例として、andやbut、whenやbecauseが挙げられます。聞いたことあるでしょ?
接続詞のポイントは以下の2つです。
語と語、句と句、節と節を結ぶ
接続詞は、語と語、句と句、節と節を結ぶ働きをします。
おい。
ん?
語は単語を表すって何となく分かるけど、句と節って何だよ。
ごめん、説明してへんかったね。
彼の言うとおり、語は単語を表します。
ただ、句と節に関しては知らない人が多いと思うので、それぞれの特徴を見てみましょう。
いまいちピンとこない人もいると思うので、例文を使って説明しますね。
これって、前置詞のところで見た例文じゃねえか。
そやで。
前置詞のコーナーで取り上げた例文を引っ張ってきました。
結論から言うと、このon the stageという〈前置詞+名詞〉のかたまりが、「句」になります!
確かに、on the stageは〈主語+動詞〉を含まない2語以上のかたまりですね。
そういうこと!
句は、その働きによって、さまざまな種類に分類されます。
たとえば、今回取り上げた〈前置詞+名詞〉のかたまりは、「前置詞句」に分類されます。
さらに深く掘り下げると、この前置詞句on the stageは名詞the girlを修飾しているので、「形容詞句」と呼ぶこともできます。
ということは、名詞の働きをする句は「名詞句」で、副詞の働きをする句は「副詞句」ということですか?
ナイス先読み!
名詞句と形容詞句と副詞句のポイントを下にまとめておきます。
句になっても、その働きは変わりませんね。
もう1つ例文を見てみましょう。
ということは、that以下は「節」ということですね。
正解!いわゆる、that節っていうやつやね。
このthat節は、名詞節に分類されます。
なぜなら、動詞think(⋯と思う)の目的語の働きをしているからです。
名詞句・形容詞句・副詞句があるのと同じく、名詞節・形容詞節・副詞節があることを覚えておきましょう。
もちろん、節になってもその働きは変わりません。
句と節はどちらも2語以上のかたまりだけど、〈主語+動詞〉が含まれているかどうかで異なると覚えておこう!
句と節について説明が終わったので、接続詞の1つ目のポイントである「語と語、句と句、節と節を結ぶ」について、例文を使って見ていきましょう。
この例文では、接続詞andがEnglishとChineseという2つの語(名詞)を結んでいます。
接続詞を見たら、語と語を結んでいるのか、句と句を結んでいるのか、節と節を結んでいるのかチェックしてみよう!
等位接続詞と従属接続詞の2種類がある
接続詞は、等位接続詞と従属接続詞の2種類に分類することができます。
たとえば、最初に紹介した接続詞andやbutは等位接続詞に、接続詞whenやifは従属接続詞に分類されます。
等位接続詞と従属接続詞のそれぞれの特徴を見てみましょう。
等位接続詞の特徴は何となく理解できるけど、従属接続詞の特徴は訳わかんねえよ。
確かに、従属接続詞の特徴は、「ん??」って感じですよね。
まずは分かりやすい等位接続詞について、例文を使って見ていきましょう。
さきほど紹介した例文ですね。等位接続詞andが使われています。
おい。
どしたん?
「対等に」結ばれるってどういうことだよ。
おっと、「対等に」の部分の説明をスルーしていましたね。
ここでの「対等」とは、「品詞レベルで対等」だと覚えてください。
たとえば、今の例文で言えば、EnglishとChineseは両方「名詞」という点で対等ですよね。
もう1つ先ほどの例文を見てみましょう。
この例文では、等位接続詞orがin the morningとin the eveningという2つの句を対等に結んでいますね。
in the morningとin the eveningは、両方「前置詞句」という点で対等ということですね!
そういうこと!
対等なものを結ぶから、「等位接続詞」という名前やねん。
等位接続詞を見たら、品詞レベルで対等なものを結んでいるか確認してみましょう!
等位接続詞の代表例を以下にまとめておきますね。
さて、次は従属接続詞について例文を使って見ていきましょう。
この例文では、従属接続詞when(⋯するとき)が使われています。
従属接続詞の特徴は、「従属節の先頭に置かれて、主節と従属節を結ぶ」でしたね。
「主節」と「従属節」って何だよ。
「主節」とは、文の主役となる節のことです。主役なので、「主節」と呼ばれています。
反対に、「従属節」とは、文の脇役となって主節をサポートする節のことです。
主節にペコペコ従うので、「従属節」と呼ばれています。
そして、従属接続詞は、必ず従属節の先頭に置かれます。
さて、クイズ。
この例文の中で、主節と従属節は何だと思う?
えーと、例文の中で主役となるのは、「私は本を読むことが多い」だから、主節はI often read booksですね。
逆に、「私は暇なとき」というのは、主節の「私は本を読むことが多い」をサポートする脇役なので、従属節はwhen I am freeですね。
さすがやね!
手っ取り早く言うと、主節を省略すると文は成立しなくなるけど、従属節を省略しても文は成立するんだよ。
従属接続詞を使った例文をほかにも見てみましょう。
この例文では、従属接続詞if(もし⋯なら)が使われています。
主節と従属接続詞はそれぞれ何か、もうわかりますよね。
文の主役は「私たちはピクニックに行くつもりだ」なので、we will go on a picnicが主節です。
一方で、「もし明日晴れたら」は主節の「私たちはピクニックに行くつもりだ」をサポートする脇役なので、従属節はif it is fine tomorrowです。
もう少し掘り下げると、従属節if it is fine tomorrowは副詞節に分類されます。
従属節if it is fine tomorrowが動詞goを修飾しているからですか?
正解!
「もし明日晴れたら、私たちはピクニックに行くつもりだ」ということやからね。
副詞は動詞を修飾できるので、つじつまが合ってるね!
さっき、I often read books when I am free.という例文がありましたよね。この例文の従属節when I am freeも、副詞節ですよね?
そやね!
従属節when I am freeは動詞readを修飾していて、「私は暇なとき、よく本を読む」ということやからね。
最後にもう1つ、従属接続詞を使った例文を見てみましょう。
この例文では、従属接続詞that(⋯ということ)が使われています。
thatも従属接続詞の仲間なのか。
そやねん。
従属接続詞といえば、whenやifをイメージする人が多いけど、thatも立派な従属接続詞やね。
この例文の主節と従属節がそれぞれ何か見てみましょう。
文の主役は「私は思う」なので、I thinkが主節になります。
一方で、「アヤカが真実を知っていること」は、主節の「私が思う」に従う脇役なので、従属節はthat Ayaka knows the truthになります。
そして、従属節that Ayaka knows the truthは、名詞節に分類されます。
that以下が、動詞thinkの目的語になっているからですよね!
そういうこと!
名詞節は、文の主語・補語・目的語になることができるからね!
従属接続詞について理解できたでしょうか?
従属接続詞には、when(⋯するとき)やif(もし⋯なら)のように副詞節を作るものと、that(⋯ということ)のように名詞節を作るものがあることを覚えておきましょう!
以上で品詞の説明は終わりです!お疲れさまでした!
これで記事を終えたいところですが、どうしても伝えておきたいことがあるので、もうしばらくお付き合い下さい!
英語の品詞を学べば英語学習にどう役立つの?
ここまで、9種類もの英語の品詞について、ちょっとどうかと思うほどくわしく説明してきました。
なぜそんなにくわしく説明したのかというと、品詞は英語を学ぶうえでの基本の「き」だからです。
しかし、ただ漠然と基本の「き」と言っても、それだけで「よし!品詞を学ぼう!」とやる気満々になる人は少ないと思います。
俺みたいな英語が苦手な奴が知りたいのは、「品詞を学ぶと、どんないいことがあるのか」なんだよ。
そりゃそうやんな。
というわけで、ここからは「品詞を学べば英語学習にどう役立つのか」を具体的に説明していきます!
同じ単語がもつさまざまな品詞を見分けられるようになる
まずは、以下の2つの例文を見てください。
両方とも、prettyという同じ単語が使われていますよね。
しかし、1つ目の例文のprettyと、2つ目の例文のprettyでは、品詞が異なります。
ここでクイズ。
1つ目の例文のprettyの品詞は何でしょう?
このprettyは、名詞girlを修飾しているから、形容詞だな。
正解!
じゃあ2つ目の例文のprettyの品詞は?
このprettyは、形容詞coldを修飾しているから、副詞だ。
完璧やん!
品詞の特徴をきっちり押さえられてるね!
prettyは形容詞と副詞の2つの品詞をもっているんだ。
このように、品詞の特徴を知っていれば、「同じ単語がもつさまざまな品詞」を見分けられるようになります。
同じ単語でもさまざまな品詞があるんだな。
その通り!
「1単語=1品詞」とは限らないんだよ。
また、同じ単語でも、品詞によって意味が変わるケースがあることに注意しましょう。
今回のprettyなら、形容詞の場合は「かわいい」という意味に、副詞の場合は「とても」という意味になります。
辞書などで単語を調べるときは、必ず「品詞+意味」のセットで覚えるようにしよう!
だれもが知っている単語でも、意外な品詞や意味をもっていることが多いよ!
ほかの例文も見てみましょう。
両方とも、bookという同じ単語が使われていますよね。
しかし、こちらも品詞が異なります。
1つ目の例文のbookは名詞で、2つ目の例文のbookは動詞だな。
その通り!
bookは名詞と動詞の2つの品詞をもっているんだ。
そして、名詞bookは「本」という意味に、動詞bookは「予約する」という意味になります。
「book=名詞=本」だけで覚えている人は注意しましょう!
「名詞」「形容詞」「動詞」など、それぞれの品詞の特徴をマスターして、同じ単語がもつさまざまな品詞や意味を見分けられるようになろう!
さまざまな文法事項が理解しやすくなる
皆さんは学校で分厚~い文法書を渡されていますよね。
目次を見ると、以下のようなさまざまな文法事項が載っていると思います。
- 不定詞
- 動名詞
- 分詞構文
- 関係代名詞
品詞を学べば、こういったさまざまな文法事項がグッと理解しやすくなります。
たとえば、不定詞。
文法書で不定詞のページを見ると、まずは以下のような記述があります。
品詞の特徴をマスターしていれば、この記述を読めば次のように理解できるはずです。
「名詞的用法」では、不定詞は文の主語・補語・目的語になるんだな。
「形容詞的用法」では、不定詞は名詞を修飾するんだな。
「副詞的用法」では、不定詞は名詞以外を修飾するんだな。
そして、不定詞を使った例文を見ても、その不定詞が文中でどんな働きをしているのかが理解できるはずです。
たとえば、「不定詞の形容詞的用法」のコーナーで、以下のような例文が載っているとします。
品詞の特徴をマスターしていれば、この例文を読めば次のように理解できるはずです。
形容詞的用法だから、この不定詞to doは直前の名詞thingsを修飾しているんだ。
こんな感じで、品詞を学べば、品詞の考え方がほかのさまざまな文法事項に応用できますよ!
文法問題に強くなる
品詞を学べば、文法問題に強くなります。
たとえば、以下の文法問題を解いてみてください。
The city has many historical ( ).
① attract ② attractive ③ attractively ④ attraction
どうでしょうか?空所に入る単語が何かわかったでしょうか?
えーと、動詞hasの目的語となる名詞がないですね。
many(多くの)とhistorical(歴史的な)は、名詞を修飾する形容詞なので、空所に名詞を入れればOKですね!
完璧な解き方やね!
選択肢の単語の中でどれが名詞か見分けられる?
え~と、どれもスペルが似ていて、見分けられません⋯。
そんなときは、「語尾」に注目しよう!
単語のスペルが似ている場合の「品詞の見分け方のコツ」として、「語尾」に注目するというものがあります。
品詞によって、相性のよい語尾があるのです。
順番にチェックしていきましょう。
たとえば、realityは「名詞」で、realは「形容詞」で、realizeは「動詞」で、reallyは「副詞」みたいな感じです。
さあ、語尾に注目して、選択肢の単語の品詞を見分けてみよう!
attractionは名詞なので、これが正解ですね!
attractiveは形容詞で、attractivelyは副詞ですね。
残るattractは⋯動詞でしょうか?
ばっちりだよ!
というわけで、正解は④。
文の意味は、「その都市は多くの歴史的な観光名所がある。」やね。
attractionは名詞で「魅力」を意味し、そこから「催し物」、「(遊園地の)アトラクション」、「観光名所」という意味をもっているよ。
こんな感じで、文法問題を解くうえで、「品詞の知識」や「品詞の見分け方のコツ」が必要不可欠なケースは数多くあります。
今回は空所補充問題でしたが、文法の誤りを指摘する問題や、整序英作文などを解く際にも、「品詞の知識」や「品詞の見分け方のコツ」はめちゃくちゃ役立ちますよ!
このように、1つの単語から派生してできた単語を派生語と言います。
英単語では派生語がたくさんあるので、何か1つ単語を覚えたら、派生語があるかどうかチェックしましょう!
英語が苦手な人は、プライドを捨てて品詞を一から学ぼう
今回の記事は、「英語が苦手で悩んでいる人」を想定してかなりくわしく書きました。
英語の品詞をマスターすれば、文法問題はもちろんのこと、長文問題・和訳問題・英作文など、あらゆる形式の問題を解くのに役立ちます。
なので、もしあなたが英語が苦手なら、この記事を何回も読んで品詞をマスターしてください。
「今さら品詞かよ⋯」とか、「何で俺が中学レベルのやり直しをしないといけないんだよ⋯」と思う人がいるかもしれません。
その気持ちはとてもわかります。初歩レベルのやり直しをするのって、結構勇気がいりますから。
しかし、品詞をマスターせずに英語の勉強を続けても、英語の成績は絶対に伸びません。
いったんプライドを捨てて、英語の品詞を一から学んでみませんか?
コメント