こんにちは、信長(@nobunaga_ydb)です。
今回の記事では、英文中によく出てくる「同格のthat」について、例文も交えて徹底解説していきます。
- 「同格のthat」ってそもそも何?
- 「同格のthat」が使える名詞/使えない名詞
- 「同格のthat」と「関係代名詞that」の違いや見分け方
などを知りたい人には、超役立つ内容になっているので、一緒に楽しく学んでいきましょう!
京都大学を卒業後、Z会で英語の参考書を編集していた僕が、わかりやすく解説していくよ~!
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それではスタート!
「同格のthat」って何?
「同格のthat」とは、〈名詞+that+S+V〉の形で、「S+Vという名詞」のように、直前の名詞の具体的な内容を説明するものです。
次の例文を見てください。
うわさって、どんなうわさなのか気になります!
確かに、There is a rumorで終わってしまうと、rumor(うわさ)の内容が何なのか気になりますよね!
そこで、rumorの具体的な内容を説明するために、「同格のthat」を使うと⋯
ねえねえ!
カオリちゃん、来月東京に引っ越すっていううわさよ!
みたいな情景が浮かびますね!
〈a rumor that S+V〉で、「S+Vといううわさ」という意味になります。
「同格のthat」が使える名詞一覧と覚え方
「同格のthat」を習った人の多くが、次のように考えます。
どんな名詞でも、後ろに〈that+S+V〉を続けたら、同格の意味になるんだ!
よーし、英作文でも「同格のthat」を使いまくるぞー!
残念ながら、この考えは間違いです。
「同格のthat」が使える名詞は、限られています。
どんな名詞でも、「同格のthat」が使えるわけではないんです。
すべての名詞で「同格のthat」が使えると思っていました!
逆に、「同格のthat」が使える名詞を教えてください!
おっけー!任せて!
「同格のthat」が使える名詞は、限られているとはいえ、結構な数があります。
漠然とひとつひとつ覚えるのはしんどいので、カテゴリー別にまとめて紹介していきますね!
「カテゴリー」や「グループ」ごとにまとめるのが、効率のよい覚え方なんだ!
例文を見てみましょう。
今回は、idea(考え)を使った例文でしたね。
「情報」を表す名詞も、「同格のthat」と相性がよいです。
特に、newsとrumorは、英文中で「同格のthat」とセットで使われているのをよく見かけます。
例文を見てみましょう。
今回は、news(知らせ)を使った例文でしたね。
「発言」を表す名詞も、「同格のthat」と相性がよいです。
例文を見てみましょう。
今回は、argument(主張)を使った例文でしたね。
例文を見てみましょう。
今回は、chance(可能性)を使った例文でしたね。
例文を見てみましょう。
今回は、fact(事実)を使った例文でしたね。
ちなみに、化粧品の「コンシーラー」は、動詞conceal(~を隠す)から派生してるのよ!
「コンシーラー」とは、こんな感じで、顔のシミやクマを「隠す」ためのものなの。
「命令」を表す名詞も、「同格のthat」と相性がよいです。
また、動詞のorder(命令する)、demand(要求する)、suggest(提案する)も覚えておきましょう。
特に、動詞のsuggestの使い方は入試でめちゃくちゃ問われますからね。
関連記事 動詞suggestの意味と使い方を徹底解説します!
例文を見ていきましょう。
今回は、suggestion(提案)を使った例文でしたね。
「同格のthat」が使えそうで使えない名詞一覧
名詞の中には、「同格のthat」が使えそうで使えないものがあるので、今から紹介していきますね!
いかがでしょうか。
これらの名詞って、つい「同格のthat」を使ってしまいそうじゃないですか?
たとえば、次のような英作文(和文英訳)の問題が出たとします。
この日本語を見ると、一部の生徒は、
あ!日本語に「~という」が含まれているわ!
「同格のthat」を使えばいいのね!
と、舞い上がってしまうんですよね。
そして、(×)My father has a habit that he walks for an hour every morning.と書いてしまいます。
正解は、(○)My father has a habit of walking for an hour every morning.です。
前置詞ofには、thatと同様に、「同格」の用法があります。
habitは「同格のthat」と仲が悪く、「同格のof」と仲良し、ということなんです。
あのー、質問があるんですが⋯。
全然いいよん!
さっき、「同格のthat」が使える名詞として、chanceが紹介されていましたよね?
けど、今回、「同格のthat」が使えそうで使えない名詞として、再びchanceが紹介されています。
結局、chanceって「同格のthat」を使えるんですか?
結論から言うと、名詞chanceの意味によって「同格のthat」が使えるか使えないかが決まります。
ここで、名詞chanceの意味を整理しましょう。
「同格のthat」が使えるのは、chanceが「可能性」の意味になるときだけです。
chanceが「機会」の意味になるときは、「同格のthat」は使えません。
代わりに、「不定詞」を使います。
不定詞にも、「同格」を表す用法があるんだよ!
たとえば、ability to do(⋯する能力)や、attempt to do(⋯する試み)が挙げられるね!
例文を見ていきましょう。
この英文中のchanceは「機会」という意味なので、「同格のthat」ではなく「不定詞」が使われています。
名詞chanceの使い方として、以下のまとめを覚えておこう!
「同格のthat」と名詞が離れるケースに注意!
「同格のthat」は、〈名詞+that+S+V〉のように、基本的には名詞の直後に置かれます。
しかし、「同格のthat」が名詞の直後ではなく、離れて置かれるケースがたまにあるんです。
例文を見てみましょう。
名詞newsと「同格のthat」が離れていることがわかりますね。
なぜ名詞newsと「同格のthat」を離す必要があるんですか?
普通に、newsの直後に「同格のthat」を置けばいいと思うのですが⋯。
確かにそう思うのが自然だよね!
じゃあ、newsの直後に「同格のthat」を置いてみようか!
この英文を見て、何か感じることはある?
主語の部分がすごく長いですね⋯。
そして、最後に動詞cameが「ポツンと一軒家」みたいに置かれているので、英文全体としてちょっと気持ち悪い印象があります⋯!
その感覚、すごくいいね!
英語の世界では、「長い主語」は嫌われます。
newsの直後に「同格のthat」を置いてしまうと、主語がものすごく長くなってしまうので、「同格のthat」は切り離したほうがいいんです。
このほうが〈S+V〉の構造がすぐつかめるので、スッキリしていますよね!
この構造パターンの英文は、大学入試によく出てくるので注意しましょう。
そして、訳すときは、「そのニュースは中国で巨大地震が起こったということが来た。」みたいな、意味不明な訳し方をしたら絶対ダメですよ!
当たり前ですが、動詞comeは、I think that ⋯やI believe that ⋯みたいに、後ろにthat節をとることができません。
The news cameがこの英文の骨格であることに気づこう!
「同格のthat」と「関係代名詞のthat」の見分け方
「同格のthat」と「関係代名詞のthat」を混同してしまう人が多いので、今からその見分け方を紹介していきますね。
〈完全な文〉とか〈不完全な文〉ってどういうことですか⋯?
例文を使ってわかりやすく説明していくね!
このthatは、「同格のthat」です。
「同格のthat」の品詞は従属接続詞なので、後ろには〈完全な文〉がきます。
※従属接続詞って何?と思った人は、この記事↓の中で接続詞について解説しているので、読んでみてください。
関連記事 英語の品詞の全種類一覧と特徴を1万8000字で徹底解説します!
そして、〈完全な文〉とは、「要素が何一つ欠けていない文」のことです。
今回の例文でいうと、she had dropped out of schoolの部分は「完全な文」です。
英文として、何一つ欠けている要素が見当たらないことがわかりますよね!
引き続き、例文を見ていきましょう。
このthatは、「関係代名詞のthat」です。
関係代名詞は、後ろに〈不完全な文〉がきます。
〈不完全な文〉とは、「要素が欠けている文」のことです。
具体的には、以下の要素が欠けている文のことを指します。
今回の例文でいうと、she had deniedの部分は「不完全な文」です。
他動詞denied(~を否定した)の目的語が欠けていますからね。
もともとは、deniedの直後に目的語としてthe rumorがあったのですが、それが関係代名詞thatになって前方に移動したことで、「穴」がぽっかり空いたということです。
同じthatでも、「同格のthat」と「関係代名詞のthat」は役割は全然違うから、それぞれの仕組みを覚えておこう!
〈前置詞+the fact that +S+V〉の形は頻出なので覚えておこう
大学入試の長文では、〈前置詞+the fact that+S+V〉の形がよく出てきます。
代表的なものは、以下の2つです。
例文を見てみましょう。
前置詞の直後に〈S+V〉はこないから、代わりに〈the fact that S+V〉がきていると考えよう!
入試問題にチャレンジ!
今回学んだ「同格のthat」の重要ポイントを押さえたうえで、入試問題を解いてみましょう!
問題を解き終わったら、すぐ下の解答解説を読みましょう。
問1
The rumor ( ) he took bribes circulated throughout the city.
① which ② that ③ about ④ what
(北里大学)
正解は②のthatです。
rumor(うわさ)は、同格のthatが使える名詞でしたね!
そして、関係代名詞のwhichを選んでしまった人は反省しましょう。
空欄の後ろのhe took bribes(彼はわいろを受けとった)は、〈完全な文〉になっています。
関係代名詞は、後ろに〈不完全な文〉がくるので、今回は使えません。
ちなみに、この英文の骨格は、主語がthe rumorで、動詞がcirculated(広まった)です。
he took bribesの部分は、あくまでthat節内の要素にすぎないので注意しましょう!
問2
There are numerous cases ( ) Japanese modesty causes misunderstanding.
① what ② that ③ which ④ where
(法政大学)
正解は④のwhereです。
case(場合)は、「同格のthat」が使えそうで使えない名詞でしたね!
caseは、「同格のthat」の代わりに「関係副詞where」を使います。
〈case where S+V〉で、(SがVする場合)という意味になります。
〈situation where S+V〉(SがVする状況)も覚えておきましょう。
「同格のthat」は用法を守って正しくお使いください
今回の記事では、「同格のthatの使い方」や、「同格のthatが使える名詞/使えない名詞」や、「同格のthatと関係代名詞thatの見分け方」などについて徹底解説しました。
「同格のthat」は確かに便利な表現ですが、使い方を間違えると危険です。
特に、英作文で「~という」を表したいときは注意しましょう。
「同格のthat」を使いたいなら、名詞を慎重に選択するようにしてね!
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