こんにちは、信長(@nobunaga_ydb)です。
僕は英作文が大好きです。
京大に合格できたのも、入試本番の英作文で無双できたからだと思います。
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英作文が好きすぎて、新卒入社したZ会で「必修編 英作文のトレーニング」という参考書を編集していました。
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ただ残念なことに、多くの受験生は英作文が大嫌いです。
英作文ってどうやって書くんだよ⋯。
意味分かんねえよ⋯。
模試が返ってきたけど、相変わらず英作文の得点が低いなあ⋯。
英作文ってどうやって勉強したらいいの?
こんな感じで、「英作文の書き方のコツが分からず、テストで全然点が取れない症候群」に陥っている受験生が数多くいるのです。
そのような受験生を救うために、僕はこの度、「受験生の英作文嫌いを克服する会」の会長に就任しました。
というわけで今回の記事では、英作文の中でも、和文英訳の書き方のコツを徹底解説します!
それではスタート!
英作文(和文英訳)の書き方のコツ一覧
英作文(和文英訳)の書き方のコツは全部で6つあります。
- 英文の構造を決定する
- 難解な日本語を和文和訳する
- 時制のミスに注意する
- 名詞のミスに注意する
- 重要表現を使いこなす
- 英語のコロケーションを意識する
それぞれ順番に解説していきますね。
英文の構造を決定する
和文英訳で重要なのは、まずは自分が書く英文の構造を決めることです。
英文の構造を決めるときは、以下の2つのポイントを意識してください。
- 〈主語+動詞〉を決める
- 英文の構造の骨格を組み立てる
〈主語+動詞〉を決める
和文英訳をする際は、まずは〈主語+動詞〉をどうするか決めましょう。
なぜなら、〈主語+動詞〉のかたまりがないと英文が成立しないからです。
さっそくですが、次の日本文を英語に訳してみてください。
これは英作文が苦手な人でも簡単に書けるのではないでしょうか。
答えはI like dogs.です。
なぜ簡単に書けるかというと、日本文に「私は~が好きだ。」という〈主語+動詞〉が明示されているからです。
では、次の日本文を英語に訳してみてください。
あれ?今回の日本文には「主語」がないですね。
いい気づきだね!
彼女が指摘してくれたように、この日本文には「私」や「彼」のような「主語」が含まれていません。
日本語は英語と違い、主語が省略されることが多いので、英訳する際に自分で主語を補わなければならないケースが結構あります。
では、主語として何を補えばいいのでしょうか?
もったいぶるのもアレなので、先に結論を言います。
「一般論のyou」を補ってください。
一般論のyou?
何ですかそれは?
初めて聞く言葉だと思うので、説明するね。
「一般論のyou」とは、世間一般の人々を指すyouのことです。
皆さんが思い浮かべるyouのイメージは、目の前にいる「あなた」ですよね。
これは「世間一般の人々」に当てはまる内容なので、主語に「一般論のyou」が使えるんです。
そして、「~を入手する」と書いてあるので、動詞はgetが使えますね。
というわけで、「一般論のyou」を主語にして、動詞getを使って英訳すると⋯
となります。
日本文に主語が明示されていない場合は、「一般論のyou」が使えないか確認してみよう!
「あなた」だけでなく、「世間一般の人々」も表すと説明されているはずです。
最後に、この問題の表現および注意事項も整理しておきましょう。
■「さまざまな種類の~」= various kinds of ~
■「簡単に」= easily(副詞)
■「インターネットで」= on the Internet(前置詞句)
■ 名詞Internetは必ず大文字から始める。
■ informationは不可算名詞。よって、冠詞a〔an〕はつかないし、複数形にもならない。
※このチェックポイントを読んで、「形容詞?前置詞句?不可算名詞?何だそれ?」となった人は、次の記事を読んでみてください。
英文の構造の骨格を組み立てる
大学入試の和文英訳問題では、1文が非常に長い日本語文が出題されることが多いです。
たとえば、以下のような感じです。
次の日本文を英語に訳しなさい。(中央大)
友達と一緒にいるときは、スマートフォンで頻繁にメールをチェックすることによって友達の気分を害することがないように気をつけましょう。
英作文が苦手な人は、こういった長~い日本語文を見た時、いきなり最初から英語に直そうとします。
「一緒にいる」は、with使えば良さそう。
「スマートフォン」のつづりって、普通にsmartphoneだよな。
「頻繁に」って英語で何て言うんだよ。
「⋯によって」はbyを使えばOK?
「気分を害する」は難しそうだな。
「気をつける」はbe careful使うか。
長い日本語文を英訳する時、このようにいきなり一言一句を訳そうとするのはオススメしません。
なぜなら、細部にこだわるあまりに、英文全体の構造を軽視してしまうからです。
採点者が和文英訳の採点をするとき、まず最初に見るのは、「英文全体の構造が破綻していないかどうか」です。
いくら細かい部分の訳出が完璧だったとしても、英文全体の構造がぐちゃぐちゃだったら、その時点で0点なんです。
家にたとえると、いくら内装がきれいでも、柱がしっかりしていないとすぐに潰れてしまうでしょ?
それと同じです。
じゃあどうすればいいのかというと、まずは英文の構造の骨格を組み立ててください。
たとえば、今回のケースで言うと⋯
友達と一緒にいるときは、スマートフォンで頻繁にメールをチェックすることによって友達の気分を害することがないように気をつけましょう。
日本文の骨格は「~のときは、⋯しないように気をつけましょう。」ですね。
これを英語に直せばいいんですね!
そして、主語が何か明示されていないのですが、この日本文は一般の人々に当てはまる内容だから、主語は「一般論のyou」が使えそうですね!
その考え方でまったく問題ないよ!
メガネ君みたいに、必要であれば主語を補いながら、まずは日本語ベースで骨格を組み立てていきましょう。
そのあとに、その骨格を英語に直せばOKです。
というわけで、日本文の骨格である「~のときは、⋯しないように気をつけましょう。」を英語に直すと、以下のようになります。
この骨格を作ることが何よりも大事です。
「気をつけましょう」の部分は、「気をつけるべきだ」と読み換えて、助動詞のshould(⋯すべきだ)を使ったよ。
shouldを使わずに、シンプルに命令文でもいいね。
そして、〈be careful not to ⋯〉(⋯しないように気をつける)は英作文の重要表現なので必ず覚えておこう!
骨格が完成すれば、あとは細かい部分のトッピングをしていけばOKです。
- 「友達と一緒にいるとき」の部分は、be with ~(~と一緒にいる)を使って、When you are with your friendsとします。
- 「友達の気分を害する」の部分は、動詞hurt(~を傷つける)を使って、hurt their feelingsとします。「友達」についてはすでに言及しているので、代名詞theirを使えばOKです。
- 「スマートフォンで頻繁にメールをチェックすることによって」の部分は、by ⋯ing(⋯することによって)を使って、by checking e-mails frequently on your smartphoneとします。
英文の骨格にトッピングすることができましたね。
以上で和文英訳の完成です。解答例を載せておきます。
この問題の表現および注意事項も整理しておきましょう。
■「頻繁に」= frequently(副詞)
■「メール」は英語でe-mailとなる。mailは「郵便;郵便物」を指すので、要注意。
難解な日本語を和文和訳する
和文英訳の問題には、難解な日本語が含まれているケースが多いです。
特に、京大や大阪大や東北大などの和文英訳問題では、そのまま直訳しづらい日本語がたくさん含まれています。
ここで、京大の問題を見てみましょう。
次の文を英訳せよ。(京都大)
子供は好奇心のかたまりだ。
本当はもっと長いのですが、最初の1文を抜粋してきました。
この日本語文を英訳するとき、英作文が苦手な人は以下のように考えます。
「かたまり」って英語で何て言うんだよ⋯。
今まで「かたまり」なんて書いたことねえよ。
仕方ねえ。ここは飛ばそう。
このように、英作文が苦手な人って、難解な日本語が出てきたら言葉通りにそのまま訳そうとするんです。
しかし、こういった難解な日本語をそのまま英語に訳そうとするのは、受験生にとってかなりハードルが高いです。
じゃあどうすればいいのかというと、英語に訳しやすいように、難解な日本語を簡単な日本語に読み換えましょう!
いわゆる、「和文和訳」というやつです。
今回の問題でいえば、「好奇心のかたまり」が難解な日本語ですよね。
これをそのまま英語に訳そうとするのではなく、まずは簡単な日本語に読み換えるんです。
たとえば、「子供は好奇心のかたまりだ。」→「子供は好奇心でいっぱいだ。」と読み換えれば、Children are full of curiosity. と書けます。be full of ~で「~でいっぱいだ」という意味です。
もしcuriosity(好奇心)という単語を知らなければ、「子供は好奇心のかたまりだ。」→「子供はあらゆることに興味がある。」と読み換えれば、Children are interested in everything. と書けます。
be interested in ~(~に興味がある)は、英語が苦手な人でも知っている表現ですよね。
おい。
どしたん?
「和文和訳のコツ」って何かあるのかよ。
和文和訳のコツ、それは、「小学生でもわかるような日本語に読み換える」ことやね!
和文和訳をする際は、小学生でもわかるような日本語に読み換えましょう。
日本語の長ったらしい言い回しやガチガチの熟語が出てきた時は、目の前にいる小学生に「これってつまり、○○というだよね~?」と優しく語りかけるくらいのテンションで和文和訳してください!
「和文和訳」をするには、英語力よりもむしろ国語力の方が必要だね!
時制のミスに注意する
和文英訳に取り組むうえで、特に気をつけたいのが「時制のミス」です。
その日本語が未来のことを表しているのか、現在のことを表しているのか、過去のことを表しているのかを判断して、適切な時制を選ばなければなりません。
そして、和文英訳で特に気をつけたい時制は「現在完了形」です。
「現在完了形」をきちんと使える人が、本当に少ないんです。
たとえば、次の日本文を見てみましょう。
この日本文を英訳するとき、どの時制を使うでしょうか?
「きた」だから、過去形を使ってSpring came.でいいんじゃね?
正解は、Spring has come.だよ。
現在完了形を使わなくちゃいけないんだ。
今回のように、日本語に「した」や「だった」という文言があると、すぐに「過去形」を使う人が多いです。
しかし、「した;だった」=「過去形」とは限りません。
「現在完了形」を使わないといけないケースがあるんです。
どうやって「過去形」と「現在完了形」を使い分ければいいんだよ?
「過去形」と「現在完了形」を使い分けるためには、それぞれのイメージを把握しておく必要があります。
ちょっと何言ってるかわかんねえよ。
たとえば、あなたが昨日鍵を無くしたとします。
昨日鍵を無くして、その状態が現在まで影響しているとき、つまり、「現在も鍵を無くしている状態」のときは、「現在完了形」を使うんです。
一方で、あなたは昨日鍵を無くしたものの、今日無事に鍵が見つかったとします。
その場合、「鍵を無くした」のは昨日の一時点の出来事であり、その出来事は現在と切り離されているので、「過去形」を使います。
「過去の出来事が現在まで影響を及ぼしているかどうか」で「現在完了形」と「過去形」を使い分ければいいってことか。
そーゆーこと!
それでは、さきほどの日本文に戻りましょう。
「春がきた」というのは、「単なる過去の一時点の出来事」を表しているでしょうか?
それとも、「過去の出来事が現在にまで影響を及ぼしていること」を表しているでしょうか?
「春がきた」っていうのは、過去のどこかのタイミングで春がきて、その状態が現在も続いているってことだから、「現在完了形」を使うのが正しいってことか。
まさにその通り!
もし過去形を使ったら、「過去に春がきた」という事実を伝えるだけで、「今が春である」ことはわからないからね。
和文英訳する際は、日本語に惑わされず、正しい時制を使いましょう!
名詞のミスに注意する
英作文のミスで、時制のミスと同じくらい多いのが、「名詞に関するミス」です。
具体的には、「名詞につく冠詞のミス」や、「名詞の単数形/複数形に関するミス」ですね。
日本語には「冠詞」や「単数形/複数形」の概念がないので、混乱する受験生が多いのですが、これらをマスターしていないと、大学入試では減点されてしまいます。
これらのミスを防ぐためには、どうすればいいですか?
「可算名詞」と「不可算名詞」の使い分けをマスターすることが大事だね!
名詞関連のミスのほとんどは、「可算名詞(=数えられる名詞)」と「不可算名詞(=数えられない名詞)」の使い分けができていないために起こります。
さっそくですが、次の日本語を英訳してみてください。
いかがでしょうか?
正解は、He gave me some advice. です。
けど、多くの人が(×) He gave me some advices. と書いてしまうんです。
advice(アドバイス)は不可算名詞なので、複数形にすることはできません。
また、不可算名詞なのでanをつけることもできません。
a/anがつくのは、原則として「可算名詞の単数形のみ」ですからね。
続いて、次の日本語を英訳してみてください。
いかがでしょうか?
正解は、I ate chicken for dinner. です。
けど、多くの人が(×) I ate a chicken for dinner. と書いてしまうんです。
chickenって数えられるんじゃないですか?
可算名詞だと思ったので、aを使ったのですが⋯。
実は、今回のchickenは「不可算名詞」なんだよ!
chickenは、ニワトリを指す場合は「可算名詞扱い」で、鶏肉を指す場合は「不可算名詞扱い」になります。
今回は「鶏肉」を食べたということなので、chickenは「不可算名詞」として扱う必要があります。
もし、(×) I ate a chicken for dinner. と書いてしまうと、「ニワトリ1羽を食べた」という意味になってしまいます。
同じ単語でも、可算名詞と不可算名詞のパターンを使い分けないといけない場合があるんですね⋯。
「使い分けのコツ」ってありますか?
ずばり、「具体的な形があるかどうか」を判断することだね!
可算名詞と不可算名詞の使い分けのコツとして、以下を覚えてください。
たとえば、「ニワトリ」は具体的な形がありますよね。
だから、chickenを「ニワトリ」の意味で使うなら、可算名詞として扱います。
一方で、「鶏肉」というのはニワトリを加工したものなので、具体的な形をもちません。
だから、chickenを「鶏肉」の意味で使うなら、不可算名詞として扱うのです。
ここでクイズだ。
「レモンティー」の英訳として、次の2つのうちどっちが正しいと思う?
- tea with lemon
- tea with a lemon
レモンティーの中に入っているレモンは、「レモン丸ごと1個」ではなく、「薄切りにされたレモン」ですよね。
ということは、具体的な形をもたないので、lemonは不可算名詞扱いになりますね。
よって正解は、tea with lemonですね!
その通り!
さすがだね!
和文英訳する際は、「可算名詞と不可算名詞の使い分け」に注意しましょう!
重要表現を使いこなす
次の文を英語に訳しなさい。
新しい仕事を見つけるのに苦労しました。
次の文を英語に訳しなさい。(青山学院大)
たいていの人は持っているものを失って初めて、そのありがたさに気付く。
英語のコロケーションを意識する
「英語のコロケーション」は英語特有の表現だから、割り切って覚えるしかないんだよ。
「英語のコロケーション」を学べば、英作文の力がめちゃくちゃ伸びるよ!
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