こんにちは、信長(@nobunaga_ydb)です。
僕は現役で京大に80点差で落ち、1年浪人の末、再チャレンジして受かったという過去があります。
浪人時は、自分なりに考えた結果、予備校には通わずに有料自習室を借りて勉強に励みました。
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その経験をふまえて、世間一般の浪人生活について強く疑問に思っていることがあります。
それは、「浪人したら予備校に通う人があまりにも多すぎるのでは?」ということです。
「浪人=予備校に通う」という価値観は、一昔前からまったく変わっていない
「浪人したら予備校に通う」
この浪人スタイルは、昔から驚くほど変わっていません。
皆さんの親世代はもちろんのこと、ひょっとすると祖父母世代でも、浪人して予備校に通われた方がいるのではないでしょうか。
そして、これだけテクノロジーが進化し、世の中のさまざまな仕組みが根本的に変化しようとしている現代においても、この浪人スタイルはまったく変化する気配がありません。
僕が浪人したのは数年前の話ですが、高校の同級生で浪人した人の中で、予備校に通わなかったのは僕くらいです。
ほぼ全員、駿台か河合塾に通いました。代ゼミが2~3人。四谷学院や東進は皆無。
僕の高校は進学校だったので、浪人した人が何十人もいたことを考えると、「浪人=予備校に通う」という価値観が驚くほど浸透していたことがわかります。
でも、ゼロベースで考えてみてください。
浪人すれば、必ず予備校に通わなくてはいけないのでしょうか?
予備校で浪人生活を送ることのデメリット
僕は、予備校に通うことが浪人生活を送る上で必ずしも最適な手段であるとは思いません。
なぜなら、予備校のシステムには以下のようなデメリットがあるからです。
- 授業時間が長いため、自習時間が確保しづらい
- いらない授業が多い
- 費用が高すぎる
それぞれ順番に解説していきますね。
予備校は授業時間が長いため、自習時間が確保しづらい
予備校って、基本的に平日の朝から夕方までみっちり授業があるんですよ。
たとえば、「駿台のEX京大理系コース」の時間割を見てみましょう。
ご覧の通り、基本的に朝9時から夕方の4時~5時まで授業があります。
ということは、すべての授業にフル出席すると、1日の大半が授業で終わってしまうことになります。
これが何を意味するかというと、自習時間が圧倒的に確保できないんです。
当たり前のことですが、授業ってただ受けるだけじゃ意味ないですよね。
授業で学んだ内容をきちんと復習して、さらに自分で演習問題を解くことで、はじめて授業で学んだ内容が定着するんです。
つまり、インプットとアウトプットを繰り返さないと、学んだ内容は定着しないんです。
さきほどの時間割を見てもらったらわかると思いますが、予備校に通うと、どうしてもインプット(=授業)の時間が長くなり、アウトプット(=自習)の時間を確保しづらくなります。
予備校に通う浪人生の多くが受験に失敗する理由は、予備校の長~い授業を受けるだけで満足して、授業後の自習をほとんどしないからなんです。
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逆に、予備校に通って成功している人って、授業よりも自習の時間を大切にしていた人が多いです。
駿台京都南校で浪人して、大阪大学工学部に受かった僕の同級生はこう言いました。
授業は自分が必要なものだけに絞って、あとは予備校の自習室に引きこもってた。
また、駿台大阪校で浪人して、大阪大学医学部に受かった僕の知り合いはこう言いました。
出ても意味のない授業はサクッと切って、基本的に家で自習してた。
予備校に依存しなかった。
受験勉強で最も大事なことは、「授業を受けること」ではなく、「自分で勉強すること」です。
繰り返しますが、今の予備校のシステムだと、貴重な自習時間をなかなか確保できません。
各予備校の授業時間割が気になる人は、ホームページで調べてみましょう。
予備校はいらない授業が多い
「授業時間が長い」という話と関連するのですが、結局予備校の授業時間が長くなる理由って、不必要な授業が多いからなんですよ。
たとえば、先ほどの時間割でいうと、「地歴・公民【共通テスト対策】」の授業なんて受ける必要がありますか?
講師がテキストに書いてある内容をダラダラ喋るだけでしょ?
それだったら、自習室で参考書と共通テストの過去問に取り組んだほうが、何倍も効率的だと思います。
さらに細かく言うと、もしあなたが数学がめちゃくちゃ得意だとしたら、数学の授業も出なくていいと思います。
数学の授業に出る代わりに、自習室で難度の高い市販の問題集をこなしたほうが、あなたにとっては学習効率が高いかもしれません。
ということは、もしあなたが「駿台の京大理系コース」を受講する場合、本当に必要な授業は「英語」と「理科」と「国語」だけになるわけです。
あれ⋯、何か無駄じゃね?
ぶっちゃけ言ってしまうと、予備校の授業って、いわゆる「抱き合わせ商法」なんです。
つまり、あなたにとって本当に必要な授業だけではなく、そこまで必要のない授業もセットで売られているんです。
なぜ必要性の薄い授業も含まれているかというと、単純に「抱き合わせ」で売ったほうが予備校が儲かるからです。
そりゃそうですよね。授業1コマ1コマをバラ売りにして、「あなたの必要な授業だけ取ってくださいね♪」なんて言ったら、顧客単価が安くなって儲からないですから。
予備校はれっきとしたビジネスです。
「あなたの第一志望合格を応援します」というセリフをエサに、いかにして浪人生の家庭からお金をむしり取るかを考えています。
たとえば、「○○大学コース」の数学はカリスマ講師だけど、英語はゴミ講師が割り当てられている感じです。
そのせいで、英語の授業だけ他のコースのカリスマ講師の授業をこっそり受けに行くという現象が起きています。これを「潜り(もぐり)」と言います。
予備校は費用が高すぎる
予備校代って、馬鹿にならない金額なんですよ。
予備校のビジネスモデルは、「まずは春の時点で入学金と授業料できっちり儲けて、その後に夏期講習・冬期講習・直前講習の費用をむしり取っていく」というものです。
ここで、「河合塾の早・慶・上智大文系コース」で1年間浪人した場合の費用を考えてみましょう。
- 入学金・・・10万円
- 授業料・・・72万5000円
- 講習費・・・25万2000円(1講座16800円。夏期・冬期・直前講習合わせて15講座取ると仮定)
合計金額、何と107万7000円です。めちゃ高。
浪人することが決定した諸君、予備校代は基本的に100万円前後かかるものだと思ってください。
講習前になるとチューターが、「去年受かった先輩は夏期講習で平均8講座取りましたよ!」みたいに脅してきますが、こんなセールストークを鵜呑みにしてはいけません。
個人的には、講習期間中は無理に講習を受けなくても、それまで習ってきた内容を復習するだけで十分だと思います。
結局、予備校のシステムは個人個人に最適化されていない
長々と予備校のシステムのデメリットについて書きましたが、結局何が問題かというと、予備校のシステムって個人個人に最適化されていないんです。
特に、基礎力がある程度身についている浪人生からすると、予備校のシステムは無駄な要素が多すぎるのではないでしょうか。
基礎力がある程度身についている浪人生とは、以下のようなタイプを指します。
- 現役のときに受けた共通テストで8割前後取れている
- 現役のときに東大・京大・早慶・国公立大医学部などの難関大を受けた実績がある
- 進学校出身で、地頭は悪くない
それでは、彼らのような「基礎力がある程度身についている浪人生」は、どのような浪人生活を送ればいいのでしょうか?
それはズバリ、「有料自習室を拠点とした浪人生活」です。
浪人2.0 ~有料自習室を拠点とした浪人生活のすすめ~
基礎力がある程度身についている浪人生に提案したいスタイルは、「有料自習室を拠点とした浪人生活」です。
基礎力がある程度身についている浪人生は、知識量に関してはだいたいクリアできているけれども、演習量が圧倒的に不足しているケースが多いです。
よって、このタイプの浪人生は、予備校に通って朝から夕方まで授業を聞くよりも、有料自習室を借りて自分のペースでコツコツ問題集に取り組むほうが、はるかに学習効率が高いわけです。
そして、「有料自習室を拠点」というのは、すべての時間を有料自習室で過ごすのではなく、自分の苦手な科目は個人塾に通ったり、予備校の単科講座を受講したりするという意味です。
ずーっと有料自習室に引きこもるのは孤独でつらいからね。
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さらに、お互い勉強面で切磋琢磨できる友達が有料自習室にいれば最強です。
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僕は、この「有料自習室+α」を切り口にした浪人スタイルを「浪人2.0」と名付けたいと思います。
浪人2.0=有料自習室を拠点とした演習中心の浪人生活
基礎力がまったく身についていない浪人生は予備校に通うべき
繰り返しますが、この「浪人2.0」の対象者は、「基礎力がある程度身についている浪人生」です。
彼らは、すでに勉強の習慣が身についているケースが多く、自己管理能力も高いため、有料自習室に通ってもサボることなく継続的に勉強できる可能性が高いです。
逆に、現役のときに共通テストで5割~6割程度しか取れなかったり、産近甲龍や日東駒専レベルの大学を落ちたりした、いわゆる「基礎力がまったく身についていない浪人生」にはこのスタイルはおすすめしません。
というか、絶対にこのやり方に手を出さないほうがいいです。
なぜなら彼らは、「自分が今、そしてこれから何を勉強すればよいか」ということすらわかっていないケースが多く、有料自習室にひきこもったところで、無駄な時間を過ごす可能性が非常に高いからです。
こういうタイプの浪人生は、素直に予備校の初級クラスに行って、基礎中の基礎から学び直しましょう。
まず第一に、予備校の授業とテキストをフル活用してください。
そして、授業が終わればすぐに予備校の自習室に向かい、今日学んだことを復習してください。
個人的な意見ですが、基礎力がまったく身についていない浪人生は、そもそも勉強すること自体がしんどい、つらいと感じる傾向が強いです。
よほど強い覚悟をもって浪人生活を送らない限り、ほぼ間違いなく志望校に落ちるので注意しましょう。
関連記事 浪人生には、強い覚悟が必要だ
「浪人=予備校に通う」という価値観に縛られるな!
僕は今回の記事を通して、「有料自習室が最強で、予備校はクソ」と白黒つけたいわけではありません。
予備校に通って成功している浪人生も数多くいますからね。
また、「すべての浪人生は予備校に通わずに有料自習室を借りるべきだ」という極論を唱えているわけではありません。
僕が本質的に伝えたかったメッセージは、「ある程度基礎力が身についている浪人生にとって、予備校のシステムは無駄が多すぎる。だからこそ、彼らは有料自習室を拠点とした浪人生活を送るべきだ!」というものです。
僕みたいに、「予備校のシステムがどうしても合わない浪人生」ってたくさんいるはずなんです。
なのに彼らの多くは、「みんなが通っているから」という理由で何となく予備校に通い、大して成績が伸びずに志望校に落ちてしまいます。
これって、めちゃくちゃもったいないです。
みんな、「浪人=予備校に通う」という価値観に縛られすぎです。
さすがに宅浪はおすすめしませんが、「予備校に通う以外の浪人スタイル」があってもいいのに、と思います。
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